2016/08/26
鍼灸治療は、赤ちゃん(小児)から高齢者まで年齢層が幅広く。また、取り扱う疾患も多いものです。
そのため開業鍼灸師は現代医学、東洋医学、鍼灸医学、治療法を勉強しておかなければならないのです。
鍼灸では小学生以下は“小児はり”といって大人にする鍼は使いません。
子供はツボや経絡の反応が良いので皮膚を擦るだけで効果があります。気持ちいいですよ~
≪効果のみられる症状≫
睡眠障害:夜泣き、夜驚症
異常興奮:疳の虫、キーキー声を出す、人を咬む、喧嘩をよくする、感情の起伏が激しい、人見知り
摂食障害:食べない、好き嫌いが多い、口内炎、腹痛、便秘、下痢
排尿障害:夜尿症、遺尿症
呼吸障害:風邪、小児喘息、扁桃炎、鼻炎
その他:掻痒感、チック症、頭痛、肩こり、成長痛、不登校、など
本日、夜尿症の小学生が受診されました。
夜尿症とは
排尿機構が完成する4歳以上になっても、夜間の遺尿(おもらし)が続く場合を夜尿症といいます。
夜尿症は遺伝の要素もかなりあるので、親の夜尿症の有無と治癒年齢が参考になることもあります。
軽症:夜尿回数が週に1~2回程度。明け方に起こるもの。
重症:毎晩。量が多い。一晩に2~3回するものは特に重症。腹部の打診で太鼓の音がするもの。下腹部が冷たい。
治療
背中にあるツボを刺激して緊張をとること。腰を温灸で温める。冷えを取り除くこと。
治療間隔
重症は毎日。軽症は週に1~2回
経過
重症は長期計画が必要。軽症だと1~2回で良くなります。遺尿が宵の口から明け方に移動し、尿量が減少すれば良好。
ポイント
夜尿症が増悪する因子
・精神的ストレス
・寒冷など
症状で一番苦しんでいるのは子供自身です。目覚めているときなら努力すれば改善できますが、いかんせん意識のない
睡眠中は努力のしようがありません。この点に親が子供を叱らないようにしなくてはいけません。
また、夜中のトイレも寝ぼけたまま連れて行くのはよくありません。はっきり目覚めてからトイレに行きましょう。
水分摂取制限もあまりきつくしない方がよいですが、冷たい飲食物の過多は、よくありません。